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式で供給されているが、近年海軍からの資金が細りがちで、心配しているとのことであった。
研究所の管理方式は、大学のそれの延長で、各研究部門の自主的な管理(予算の執行を含む)に任されており、各研究部門の連合体が、研究所という一体とした機構を形成している。所長は、ボットムズ・アップという言葉で、そのあり方を表現していた。
3.4.2 海底設置型計測装置について
地球物理が専門のオルコット教授から光ファイバーを用いた海底の地殻変動検出システムについて説明を受けた。光ファイバーを細いステンレスパイプで覆い、その上からケブラー繊維で補強を行った光ケーブルを海底にはわせ、海底に設置した計測装置によって光ケーブルの状態を監視する。地殻変動によって光ケーブルに歪みが生じると、歪みの生じた位置を計測装置によって計測できるので、海底の変動位置を特定することができる。現在、大きな力が光ケーブルに加わってもケーブルが破断しないようケブラー繊維を強くしたケーブルを製作しているとのことであった。
重力を計測する2つの装置を解説していただいた。1つは写真18のコンピュータを組み込んだ海底設置型重力計である。このシステムでは、あらかじめ海底にコンクリートで作ったベースを設置し、その上に重力計を設置し計測を行う。ベースは直径1.5m程でこの上に無人潜水機を使って重力計の設置を行ったそうである。今後は有人潜水船などでの設置を予定しているとのことである。回収は音響コマンドによってアンカーを切り放し、装置の浮力により海面まで浮上する。また、海底設置型に比較して計測の省力化を測るため、海底付近までワイヤーで吊り下げ重力を計測する重力計も開発しだそうである。海面近くでは水深に相当する海水が計測値に誤差を与えるので、なるべく海底に近い位置で計測を行うのが好ましいとのことである。船の動揺による。誤差も非常に小さくできたとのことである。

 

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写真18 海底設置型重力計

 

 

 

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